2023年6月30日金曜日

最終兵器の目  新『日本書紀』 神功皇后前期1

  息長帯日売は品太天皇の母と思われる。葛城高額比賣の娘で葛木氏の姫である。姉弟は虚空津比賣と息長日子である。父は息長宿禰、異母兄弟は河俣稻依毘賣を妃に生まれた大多牟坂である。但遅馬国造の祖で、多遅麻君と呼ばれた可能性が高い。但遲麻國造は坐王五世の孫の舩穗足だ。大多牟坂は但遲麻國造の親で坐王四世の孫になる。そして、坐王三世の孫の大陀牟夜別は志賀髙穴穗朝の淡海國造である。志賀髙穴穗は淡海國で首都の王なのだから天皇である。そして、その親が近淡海の安國造の祖、坐王二世、すなわち子の意富多牟和氣である。近淡海の安直の祖の水穗眞若のことである。

すなわち、大多牟坂の父は息長宿禰なので、伊吹山の麓の王、野洲王・志賀髙穴穗天皇ではない。したがって、母の河俣稻依毘賣は坐王三世の孫の志賀髙穴穗天皇の妹である。志賀髙穴穗天皇の父の意富多牟和氣の娘の布多遲比賣が稻依別を生んでいる。稻依別が稻依毘賣本人か妹と考えられる。葛木氏の史書の『古事記』は葛木氏の主経路の薨去日を若帯日子の後が息長帯日売と思わせている。すなわち、若帯日子の後継者が息長帯日売と記述している。

それは、志賀髙穴穗天皇、稻依毘賣の義兄弟が若帯日子、若狭王だと示した。息長帯日売は角鹿笥飯宮の姫である。従って、若帯日子は葛城高額比賣の甥と思われる。大根・八瓜日子の娘の弟比賣・八坂之入日賣と大碓の子が若帯日子である。『舊事本紀』の「葛津立國造」が「紀直同祖大名弟彦命兒若彦」と記述される。一般には大名茅彦と言われている。しかし、紀直は紀角宿祢の祖、大名は大根、弟比賣の夫大碓、子の若彦が若帯日子とよく合致する。また、弟彦の兄弟が五百木部連の祖の若都保、大碓と考えられる。

若帯日子の兄弟に五百木之入日賣と五百木之入日子がいる。三尾氏の妹の水歯郎媛の娘に五百野がいて、五百木之入日子が婿入りして太子と呼ばれた。五百野は「伊勢天照太神齋祠」である。八坂彦は伊勢神麻績連の祖、五百木之入日子は八坂之入日賣の子だ。五百木之入日子は八坂彦を襲名した可能性が高い。そして、五百野伊勢刑部君の祖の纒向日代宮天皇の多遅麻の子の五十功彦の妹か娘である。すなわち、五百木之入日賣が葛城高額比賣で、磐城別・息長宿禰の妃、その娘が息長帯日売と考えられる。勿論、これらは、家系の流れで、実際の息長帯日売、もしくは、帯中日子は362年に薨じた人物で、謎の4世紀の人物達だ。葛木氏の御真木入日子の薨が318年、若帯日子の薨が355年である。そして、その間に、伊久米伊理毘古、続いて大帯日子が併行して存在した4世紀前半のことだ。

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