2024年3月27日水曜日

最終兵器の目  新しい古代の神話 日本 『古事記』の祖神1

  『古事記』において、最初に「天之御中主」という神が登場する。しかし、仲国を統治する王、仲国主を賜姓する王が登場する前に、中主を記述することになるという矛盾がある。たとえば、「伊都爾支」には上位者として卑弥呼が存在していた。中臣氏が仲国の王となったのは、おそらく南の「狗奴国」を打ち破った時期と推測される。道臣が「豊前国長峽縣」の「京」に都を移し、碩田国を攻める際に初めて直入中臣神が記述された。それにもかかわらず、「御中主」が最初に記述されたのは、『古事記』を完成させたのが藤原氏や中臣氏だったからだろう。このように、祖神を記述する順序は、史書を完成させた時点での権力関係を示している。

次に登場するのは「高御産巣日」であり、この神は大伴氏や葛木氏の祖神とされている。後裔が劔根とされ、神話には葛木氏の活躍が語られ、葛木氏が見つけた劔で国が建国された。「高御産巣日神」は「高木神」とも呼ばれ、高木は高国、高岐、高州を意味し、現在の高島を指すと考えられる。高倉山は『舊事本紀』に菟田の高倉山の頂として言及される。高倉下は熊野の出身なので、葛木氏の劔根やその祖先が高倉山に住んでいたと考えられる。福井県の小浜には熊野があり、熊野神社もある。「若御毛沼」の子である「神八井耳」は意富臣の祖だった。「高御産巣日」は三国から来た人物と考えられ、経歴は対馬の日神から始まり、ム州の胸形を経て三国、更に高島に至ったと考えられる。九州が日別であることから、神霊が生まれた六合の対馬の日神が祀られる昼ヶ浦が「」だと推測される。そして、饒速日は「高御産巣日」の曾孫であり、尾張氏と物部氏の祖だ。

次に登場するのは「神産巣日」であり、ここでの「神」は「ミ」を指し、この神は三国の神と考えられる。『古事記』は大臣の歴史書であり、葛木氏は大臣の国の大国を奪った。そのため、「神産巣日」はおそらく丹波大国を支配した神だったのだろう。出雲や隠岐まで支配していたのは、於漏知を配下に持つ君子国、すなわち三国の王だったと考えられる。『古事記』の「三柱神者並独神」は、畿内を統治した朝廷の逆順で、大神君、次が物部氏、尾張氏を含めた葛木氏、そして藤原氏の順に統治したことを示している。

0 件のコメント:

コメントを投稿