2024年3月25日月曜日

最終兵器の目  新しい古代の神話 日本 『古事記』の大人國

 『古事記』は、大臣と呼ばれる役職の史書である。この大臣とは、出雲色多利姫の子である出雲醜大臣が初めて登場する役職である。「食国政大夫者今大連大臣」という表現は、大臣が食国(隠岐)の一人しか居ない重職にあることを意味している。大夫という役職の最初の登場は天日方奇日方であり、それは大神君の祖である。天日方奇日方は、大国主の上に立つ大神の起源であることを示している。大国の神と三()国の神を合祀した神が大神と考えられる。また、宇摩志麻治も大夫として記述されており、彼の子は大祢であり、大国の禰宜(祭祀を司る役職)だった。「侍臣奉齋大神」とは、大神の筆頭の配下を指す言葉だ。その大祢から大臣、更に大連にその権威が遷った。

出雲醜大臣が大臣の地位を得たのは、出雲色多利姫の出自である出雲氏からだった。出雲の鞍山祇之大神の子の沖津久斯山祇が隠岐王になり、出雲氏は隠岐王の筆頭の地位にいた。この当時の出雲は、現在の島根県とは異なる。「出雲國多藝志之小濱」という表現で、但馬の小浜と記されている。「志」は島や村の長を意味すると考えられ、藝志は国の志、すなわち、連を指す可能性が高い。

大国主が追放された後、出雲氏らは島根県の出雲に移住した。『丹波国風土記』によれば、亀岡の出雲神社から大国主を出雲大社に遷したとされている。このことから、現代の出雲大社は当初、大国主のために建てられたものではなかったことがわかる。

『山海經』によると、大人国は南から東北に向かって砂丘の次に大人國があり、その次に君子國があるとされる。君子國は三国であり、さらにその北方には「兩水間」と半島にある「八首人面八足八尾」の八岐大蛇の国が存在する。ここでの大人國は丹波の大国を指すと考えられる。大人を「ウシ」と呼ぶが、これは、多藝志が多国(但馬国)の連を意味したように、主人や大人は宇津の連を意味すると思われる。つまり、宇津(大津)の国王を指すものと考えられ、大臣の祖が大津王だったことを示している。大津王の宇都須山祇は大人様の親の家系で、後の大臣のことと考えられる。

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