2024年1月10日水曜日

最終兵器の目  新しい古代 『三國志』の鬼

  『山海經』の「海内北經」、渤海周辺に「鬼國」が記載され、「在貳負之尸北」と南に「貳負之尸」がある。その東、すなわち、東南に「神在其東」と神霊が居るから、「鬼國」と鬼が記述される。その神は「人面蛇身」、顔が蛇の神が「北山經」の二十五山、「海外西經」の「軒轅之國」に存在する。そして「大荒北經」「章尾山」に「西北海外」と、オホーツク海に近い日本海の中国大陸側にも存在する。顔に蛇の墨を入れたと思われる、同じ鬼道を祀る人々である。竜神の黄帝の孫が「北狄之國」を建国し、黄帝は「大荒北經」の場で戦った。皇帝の孫の鯀が、「殛鯀於羽山以變東夷」と東夷から追放され、東夷は混乱した。鯀は「是始布土均定九州」と九州の王だった。東夷の九州である。黄帝は「海内經」の住人、六合を行き交った聖人で、九州と無関係とは思えない。

「海外北經」すなわち、日本の北陸や東北地方の何処かに「跂踵國」があった。「其為人兩足皆支」と、蟹股なのだろうか。蟹股の土偶がある。このように、国名には意味がある文字が使われ、倭人の鬼國も同じ。しかも、倭の神の天神に対する鬼神、倭人の先住民の可能性が高い。卑彌呼は「事鬼道能惑衆」と鬼・木の神霊を祀る。卑弥呼は倭人でありながら、鬼道の神子でもあったから、「共立為王」と、王に共立されたのだろう。卑弥呼は天の大君で鬼道の神子なので、鬼道を祀る三韓、天君を祀る馬韓の支配者を主張したのだろう。

『伊未自由来記』に木葉比等が記述される。「きは」国の人、日本語は「きのは」が「このは」と変化したのだから、「こ」国の葉の人と考えられる。「狗古智卑狗」の古は木のことかも知れない。木葉人は木国、鬼神を分祀した人々なのだろう。隠岐に遣ってきた住人が木葉比等、海流に乗ってやってきて、黄海や南シナ海、六合沿岸の人物だ。200㎞西から、朝鮮半島は300㎞だから、山口県から遣って来た。倭人がアカホヤで「木」国に流入して、木葉人が追い出されたと考えれば、良く当て嵌まる。木葉人が渤海や隠岐の三小島に流出し、残った木葉人は「鬼國」と「鬼奴國」の住人になったのであろう。熊本県に木葉山、福岡県の基山町などがその候補だろうか。そして、渤海にも定着して「鬼國」、さらに、朝鮮半島にも渡った。

鬼神を祀る国は高句麗、「宮室於所居之左右立大屋祭鬼神又祀靈星社稷」と記述される。渤海沿岸の「鬼國」の「神在其東」の東が後の高句麗だろう。さらに、馬韓も「祭鬼神」、弁辰も「祠祭鬼神有異」と鬼神を祀る。卑彌呼と対立する「狗奴國」は「木祖句句廼馳」の「句廼國」と考えられる。「奴」や「廼」は木神の祖の野の神を意味し、「馳」は地霊を意味する。すなわち、「狗奴」、「句廼」は鬼道を祀る人々である。陳寿は国史記述を任されるのだから、『山海經』の『鬼國』を知らないはずがない。「鬼guǐ」を使わなくても「規guī guī guì guǐ」も、現代の中国で似た発音だ。

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