2023年10月7日土曜日

最終兵器の目  新『日本書紀』 継体天皇前紀3

  袁本杼は大長谷若建の後継者である。春日の袁杼比賣・童女君の甥の可能性が高い。丸迩許碁登臣の子孫なのだろうか。女王国のNo.2で、女王国No.1は真鳥大連である。大長谷若建が489年己巳八月九日に薨じて、大臣の後を継いだ。麻佐良は義兄弟、2代目麁鹿火は甥、3代目麁鹿火は婿で後継者と考えられる。

袁本杼の先祖の若沼毛二俣は息長眞若中比賣の子である。若沼毛二俣は息長眞若中比賣の妹の弟日賣眞若比賣を妃に意富富杼王を生んだ。兄弟に忍坂大中津比賣がいる。しかし、忍坂大中比賣は応神天皇と迦具漏比賣の子で、意富富杼は忍坂大中比賣の姉妹に婿入りしたと思われる。『上宮記』逸文の系図では忍坂大中比賣と娘の衣通郎女が兄弟になっている。しかし、衣通郎女は男浅津間若子の恋愛対象で、忍坂大中比賣の妹と考えられる。すなわち、意富富杼は男淺津間若子宿禰と義兄弟で、波多君の祖、波多臣の祖の波多八代宿禰に婿入りした人物である。その意富富杼と同名なのが大臣を継承する袁本杼で、意富富杼と同地域の人物だ。

袁本杼は近江國高嶋郡三尾の人物で、三尾君加多夫の叔父と思われる。男大迹、すなわち大国の男人、彦太、すなわち大彦、大臣である。木蓮子は御太君の祖の娘を妃にしていている。三国の彦太君の祖の娘、すなわち、年齢からすると、彦太君の叔母を妃にし、麁鹿火は甥にあたる。袁本杼の父の彦主人は振媛の地の三國坂中井の主人、王・主の配下になっていたようだ。袁本杼は女国王と思われる、三尾君加多夫の妹の倭比賣に婿入りして、大郎女、すなわち、女国王を生んでいる。

扶桑国小長谷若雀天皇は竺紫君石井を荒甲(麁鹿火)に撃たせた。麁鹿火は金村に「長門以東朕制之筑紫以西汝制之」と同盟を迫ったようだ。長門以東は蘇我氏、「磐井掩據火豐」のように、筑紫・豊・肥は石井の領地である。結果、竺紫君は粕屋以東を橘豊日の祖父や父達に奪われた。「東漢直駒東漢直磐井子」、「東漢直駒偸隱蘇我娘嬪河上娘爲妻河上娘蘇我馬子宿禰女也」と記述する。すなわち、石井の子は馬子の娘婿なので、粕屋以東は馬子が手に入れた。年齢的に石井の子は合わないので、石井を襲名した葛子の子と思われ、肥は葛子が継承した。そして、男人大臣が薨じて、女王国が滅びた。そして、後代、巨勢臣藥が豐足臣の子と豐国王になっていて、橘豊日の配下のようだ。巨勢氏は石井掃討の立役者だったのだろう。そして、己未十二月庚辰朔甲申に「尾輿連公為大連」とあるように、尾輿が天皇に即位した。麁鹿火と別系統の金村・目大連の孫のである。

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