2018年6月15日金曜日

最終兵器の聖典 本節 神々の誕生1

 日本には3冊の史書が写本で残っていて、『先代旧事本紀』は史書を推古天皇ではなく聖徳太子が創らせたと書き、蘇我馬子が命じられて書いたとしている。
私は、もし、聖徳太子が書かせたとしても、本来は推古天皇が書かせたと記述すべきと考え、『古事記』が天武天皇(実際は文武天皇)に命じられ、元明天皇に献上したと書いているので、私は『先代旧事本紀』を最高実力者の馬子が書かせ、馬子が薨じたから中止したと理解した。
『古事記』は仁賢天皇以降記述されていないから、本来仁賢天皇が書かせそれを大安万呂が修正し、『日本紀』は『続日本紀』に「一品舍人親王奉勅 修日本紀 至是功成奏上」と元正天皇に修正して奏上したと書かれ元正天皇に命じられた事を物語っている。
これら3冊の作成事実を踏まえ、内容や多くの文献・中国や朝鮮の史書・出土物をもとに日本の古代史を検討していこうと思う。
先に書いたように、『日本書紀』を書いた人々の先祖の建国の地は『日本書紀』に「底下豈無國歟 廼以天之瓊矛指下而探之 是獲滄溟 其矛鋒滴瀝之潮 凝成一嶋 名之曰磤馭慮嶋」と「磤馭慮嶋」だが、『古事記』にある「生淡島 是亦不入子之例」の「淡島」が『日本書紀』になく、『古事記』には「生隠伎之三子島 亦名天之忍許呂別」と隠伎之親島の島後が記述されない。
そのため、数に入れない「淡島」が「磤馭慮嶋」で『古事記』は「忍許呂」島と呼んでいたと考えられ、語幹が「コロ」で国生みの場所が隠岐の島の島後ということが推論でき、隠岐の島から『日本書紀』が始まる。
 まず、最初の神が誕生する場面で、『日本書紀』は「古天地未剖」、『古事記』は「天地初発之時 於高天原成神名天之御中主神」、『先代旧事本紀』は「時天先成而地後定然後於高天原化生一神號日天譲日天狭霧國禪月國狭霧尊」と『日本書紀』のみ伊弉諾・伊弉冉が何もないところから国産みするが、他はすでに高天原が存在している。
高天原は『日本書紀』の「吾今奉教將就根國 故欲暫向高天原與姉相見而後永退矣」と伊弉諾・伊弉冉神が産んだ国の中に有り、その高天原で『古事記』と『先代旧事本紀』の主神が生まれたということが解る。
「洲壞浮漂 譬猶游魚之浮水上也」と主神が生まれる状況は海の情景なのだから、神話の始まりは海の上で、そこに主神が誕生したと『日本書紀』は述べている。
もちろん、船でやってきたのだから、出身地は船を作る能力が有り、12000年前の丸ノミ型石斧が発見された栫(かこい)ノ原遺跡は有力な出身地で、対馬海流が日本海に流れ始めた8000年前頃に流されて隠岐の島に上陸したと考えれば、状況的にピッタリだ。
常識的に考えて、最初の船の冒険は沿岸航行と目で見える陸地に向かっての航行だが、海流の知識がないと日常的に行き来は難しく、また、隠岐の島は9000年前に噴火を起こし、それ以前の島民が生き延びていたか疑問だ。

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