2023年12月6日水曜日

最終兵器の目  新しい古代 はじめに

  私は、これまで、『日本書紀』の矛盾を考え、一書群(中国・朝鮮史書、古事記、舊事本紀等)と比較し、検証してきた。始まりは古田氏の「『三國志』は正しい」だった。しかし、私は失望した。古田氏は卑弥呼の墓を須玖岡本遺跡にしたいだけだった。そのため、1里を70mにして、奴国を女王国とした。これまでの、古代史の権威と全く変わらず、頭の霧は晴れなかった。ところが、世の中が変わった。誰もが簡単にネットに繋げられ、『日本書紀』をはじめ、『三國志』も『古事記』も原文で読めるようになった。それまで私たちが読めたのは、権威が書き換え、解説した『日本書紀』や『古事記』しかなかった。しかし、最も書き換えが無い『日本書紀』などの原本が国会図書館の電子ライブラリーで読めるようになった。中国史書は「維基文庫」や「中國哲學書電子化計劃」で原文が読めた。そして、グーグルマップで、簡単に正確な距離が算出できた。

そして、私は自動カレンダー作成ソフトを創った。月齢や二十四節気も、旧暦も表示させた。そして、その計算のため、フリーの、「朔・節気」計算ライブラリーを手に入れた。ユリウス数を使った高度なライブラリーだった。しかし、西暦0年が在り、その他の朔の間違ったユリウス日を返すバグがあった。それで、異常値は、集計して朔の個数で検証して修正した。修正が終わった朔や節気を使って、ユリウス数と旧暦の月日を対応させて、日干支を算出した。現代の日干支は簡単に検証でき、古代の日干支は、史書の「日蝕があった日干支」を使って検証した。検証結果は『漢書』・『後漢書』の誤った答の割合が172中7件だった。(一件、月食を記述していたと思われるので省いた。)7件は晦日か2日の間違いで、伝聞の間違いの可能性が高い。統計的に95パーセント正しければ、有効な数値と考えられる。従って、中国史書や三国史記の記事は95パーセント以上の記事が事実だと考えられる。ちなみに、『日本書紀』は日蝕記事がほとんどなく、全ての朔の記事で77パーセントの正確さだ。4分の1の記事が朝廷以外の記事と推定できる。中国史書は、晦日が朔だったりしたため、全朔で83パーセントの正確さだ。17パーセントの多くは違う暦を使った王朝の変換ミスだろう。

そして、新しい古代史の究明が始まった。今まで、どれが正しく、どれが間違いか解らなかった史書が、どの程度正しいか解った。晋・宋の歴史家の裴松之さえも、『三國志』を間違って解釈した。それより後代の歴史家など、真実をどれほど記述したのだろう。原文の史書が一番の資料、そこに、真実が八割もある。残りの2割の八割は、朔日を晦日に移植したりしたなどの間違いなのだろう。実際の錯誤は5分程度と考えられる。証拠が全くない権威者と比べ物にならない、それが、数値で示された史書群であり、『日本書紀』なのだ。

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