2021年4月7日水曜日

最終兵器の目 『日本書紀』本文と『山海經』2

  前回に続いて、天の文字が

海外西經』「刑天與帝爭神帝斷其首」、

『海外東經』「朝陽之谷神曰天吳是為水伯」、

『大荒東經』「有神人・・・名曰天吳」、「有山名曰鞠陵于天」、「有山名猗天蘇門」、「東海中有流波山・・・以威天下」、

『大荒南經』「阿山者南海之中有汜天之山」、「有山名曰融天」、「山名曰天臺」、

大荒西經』「西北海之外赤水之西有天民之國」、「有弇州之山五采之鳥仰天」、「有山名曰日月山天樞也吴姖天門日月所入・・・帝令重獻上天」、「有人反臂名曰天虞」、「有赤犬名曰天犬」、「西南海之外・・・開上三嬪于天・・・此天穆之野」、「氐人之國・・・氐人是能上下于天」、「魚婦・・・風道北来天乃大水泉」、

『大荒北經』「有山名曰衡天」、「有山名曰北極天櫃海外北注焉」、「有山名曰成都載天」、「黄帝乃下天女曰魃雨止遂殺蚩尤」】と記述され、やはり水を注いだり、天からのベクトルを示している。

さらに、

【『海内經』「東海之内北海之隅有國名曰朝鮮天毒其人水居」、「有人名曰柏子高・・・至于天」、西南黑水之閒有都廣之野・・・蓋天地之中」、「有人曰苖民・・・伯天下」、「有鸞鳥・・・見則天下和」、南海之内有衡山有菌山有桂山有山名三天子之都」、「洪水滔天」、

海内南經』「三天子鄣山在閩西海北一曰在海中」】と記述されて、東・南シナ海に「天」と呼ぶ地域が有り、天子が住み、渤海岸で天地が別れ、海内以外でも、海内と関係深い地域に天が既述されていた。

海經』に記述される天子は

【『海內北經』「帝堯臺帝嚳臺帝丹朱臺帝舜臺」、

『大荒東經』「東海之外大壑少昊之國」、「中容之國帝俊生中容」、「白民之國帝俊生帝鴻帝鴻生白民」、「黑齒之國帝俊生黑齒」、「帝俊下友帝下兩壇」、「東海中・・・夔黃帝得之」、

大荒南經』「帝俊妻娥皇生此三身之國」、「季釐帝俊生季釐故曰季釐之國」、「東南海之外甘水之間有羲和之國有女子名曰羲和・・・羲和者帝俊之妻」、

大荒西經』「帝俊生后稷」、「帝俊妻常羲生月十二」、

『大荒北經』「黄帝乃令應龍攻之冀州之野」、『海內經』「黄帝妻嫘祖生昌意・・・阿女生帝顓頊」、「黄帝所為」、「黄帝生駱明」、「帝俊生禺號」、「帝俊賜羿彤弓素矰」、「帝俊生晏龍」、「帝俊生三身」、「帝乃命禹卒布土以定九州」】と記述され、多くが渤海・黄海に接する地域で天子が活躍し、この地域が天と『山海經』は認識している。

その、天と呼ばれる場所を、『日本書紀』も天と記述し、「六合」と『山海經』の『海外南經』に記述される「地之所載六合之閒四海之內・・・神靈所生」と両書共に同じ地域を「六合」と理解して『日本書紀』は文字を当て嵌めたと考えられ、六合で生まれた神に「神」の文字を当て嵌めた。

『出雲風土記』には「三身」と『山海經』の『海外西經』に記述される「三身國在夏后啟北一首而三身」を理解した上で記述し、三身国の影響下で「三身之綱打挂」と国を拡げた。

そして、平郡王朝の『日本書紀』は帝俊が三身国を生んだ国常立と想定し、配下になった2国の王が「國狹槌尊次豊斟渟尊」と考えられ、常世は天に存在し、『大荒南經』の「羲和之國」を紀伊熊野近辺と考え、三毛入野が「母及姨並是海神」と東シナ海にある母の国常世に向かう船があったので、常世に旅立ったと記述したと考えられる。


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