2021年4月12日月曜日

最終兵器の目 『日本書紀』本文と『山海經』3

  『山海經』を理解するにあたって、「海内」・「海外」・「大荒」の位置を確認しなければならず、その起点となるのが、三身国を記述する『海外西經』と『大荒南經』と『海內經』で、三身国は「一首而三身」と一人の王が3国を支配して、その3国が3つの海に面している。

そして、『海外西經』の三身国の南に結匈国が有り、『海外南經』に記述され、「海外自西南」と西南隅に存在し、『海外西經』を北上すると、良く知られている肅慎国が「至西北陬」と朝鮮半島の東北が海外の西北隅と記述され、海外西は日本海西と理解され、三身国が九州の国と理解される。

『海內東經』と『海內西經』に渤海が記述され、『海內東經』に倭や朝鮮が記述され、『海內經』にも朝鮮が記述されるので、海内は渤海・黄海を意味し、海外は日本海を意味する。

大荒は『海外東經』の東南隅に大人国や君子国が有り『大荒東經』にも記述され、琵琶湖周辺の国と理解され、『大荒東經』と『大荒南經』に羲和の国が有り、「東南海之外」と海内である東南海の外、海外の一種の関門海峡・瀬戸内海を思わせ、3海の接する紀伊半島先端を思わせ、『大荒東經』には「海內有兩人名曰女丑」と『海外西經』と『大荒西經』に記述される女丑を記述し、瀬戸内海を通して繋がっていることを示す。

すなわち、『大荒東經』は紀伊半島より東の太平洋、『大荒南經』は四国・九州南の太平洋、『大荒西經』は九州西の太平洋と解り、『海外南經』の「六合之閒,四海之內」の四海は『大荒西經』・『大荒東經』・『海外南經』・『海内經』の4海と理解され、九州北部から中国地方を現す場所が「六合」と解る。

そして、この六合は「神靈所生其物異形」と、ここで神が生まれ、三首国は「一身三首」と1国だが3つの顔がある、『古事記』に「生隠伎之三子島亦名天之忍許呂別」の「隠岐之三子島」とピタリの国があり、「天之忍許呂」島は『海外南經』の「冠帶一曰焦僥國在三首東」と、いかにも三首国を統治しているように思われる。

六合には、「神靈所生」・「唯聖人能通其道」と神人・靈人・聖人がいて、「有神人二八連臂」と28の国が連合し、聖人は「肅慎之國・・・聖人代立」、肅慎の南に「鰕即有神聖乘此以行九野」と神人・聖人が関与し、中国の天王が天子なので、神人・靈人・聖人の王は『海外西經』「丈夫國・・・人衣冠帶劍」・海外西經「君子國・・・衣冠帶劍」・『海外南經』「周饒國・・・冠帶」と 冠帯の国の王と考えられ、 周饒国王が 神人の神子・君子国王が 靈人で君子・ 丈夫国王が聖人で日子と考えている。

それは、『日本書紀』が日後「ひじり」に聖の文字を当て嵌め、三身国が3国の「日別」の国と考えられ、三身国は「帝俊妻娥皇生此三身之國」と俊天子と日国王・日女の娥皇が生んでおり、天子と皇が生んだ日後国の流れを汲む神武を「謂日本亦有聖王謂天皇必其國之神兵也」の言葉を受けて天皇と記述したことから考えた。

そして、「忍許呂」島は伊弉冉・「いざな」の神が生んで、「み」を神の文字に当て嵌めていて、「みこ」を「神子」と当て嵌めたと考え、君子は「いざな」の「き」神・岐「き」神「み」子を君子と文字を当て嵌め、天皇に使用される「根子」も同様で、根神の王と考えた。

日国人を「ひと」、支配された王の「ち」神は「ひこぢ」・「村ぢ」・「くらぢ」・「うかち」で、それぞれ、「彦舅」・「連」・「倉下」・「猾」と文字を当て嵌め、支配された「み」神は「おみ」で「使主」・「臣」と、『日本書紀』製作者の平郡氏は文字を当て嵌めた。

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