2017年8月4日金曜日

最終兵器のミサ 神武天皇以前の国

 神話で最初に出てくる魅力のある人物が素戔嗚だけれど、素戔嗚が出雲に宮を造ろうとしたときすでに「耳」や「主」の官位を持つ人物がいて、しかも、十拳釼より硬い草那芸之大刀を得ている。すなわち、石剣で戦って銅剣か鉄剣を得た時代の話で、素戔嗚より前に、国譲りより前に出雲とゆう国が有って、主や耳の官位とゆう制度を持っていた王朝が有ったとゆうことだ。
『古事記 神代』
「速須佐之男命、抜其所御佩之十拳釼、切散其蛇者、肥河変血而流。故、切其中尾時、御刀之刃毀
負名号稲田宮主須賀之八耳神」

「ミサ 日本の国盗り物語」で書いたように日本には東鯷国とゆう国が既にあって20余国の領域を持っていたけれど、素戔嗚の子の天津日子根・天菩比や神武天皇の子の神八井耳の得る国が東鯷国の領有だったとゆうことだ。これら以外のところに国はありそうもなく、古事記で天菩比を「狭霧所成神」と書いてあって、『先代旧事本紀』の主神の狭霧国の狭霧は無関係とは思えず、順序は狭霧国が既にあったけれど、そこを素戔嗚があとで支配したとゆうことで、狭霧国が東鯷国を奪ったとゆうことができる。
『漢書』 卷二十八下 地理志第八下 呉地条
「會稽海外有東鯷人 分爲二十餘國 以歳時來獻見云」
『先代旧事本紀』
「高天原化生一神號日天譲日天狭霧國禅日(?)國狭霧尊」
『古事記』 神代
「乞度所纏右御美豆良之珠而、佐賀美迩迦美而、於吹棄気吹之狭霧所成神御名、天之菩卑能命」
「乞度所纏御縵之珠而、佐賀美迩迦美而、於吹棄気吹之狭霧所成神御名、天津日子根命」
「天菩比命之子建比良鳥命、此、出雲国造・无耶志国造・上菟上国造・下菟上国造・伊自牟国造・津島県直・遠江国造等之祖也」
「天津日子根命者、凡川内国造・額田部湯坐連・茨木国造・倭田中直・山代国造・馬来田国造・道尻岐閉国造・周芳国造・倭淹知造・高市県主・蒲生稲寸・三枝部造等之祖也」
「神八井耳命者、意富臣・小子部連・坂合部連・火君・大分君・阿蘇君・筑紫三家連・雀部臣・雀部造・小長谷造・都祁直・伊余国造・科野国造・道奥石城国造・常道仲国造・長狭国造・伊勢船木直・尾張丹波臣・島田臣等之祖也」

そして、『先代旧事本紀』で神武天皇が建国の時はまだ神武天皇の制度が整っていないのに大夫・率・臣・連・国造などがあり、制度が整っていた。これが東鯷国の制度と考えられるけれど、大夫は中国の周の制度で、『論衡』で武王と会っている倭人は東鯷国の人物だと十分考えられる。さらに、3貴神が生まれる前に東鯷国があったとゆうことは、東鯷国の前身の大八島の建国で島の名前に「別」が付いていたのは伊余国や周芳国や筑紫国・狭国(淡路島の対岸瑞穂の畿内)と交易するための拠点だった可能性があり今から3千年以上前の周時代以前の話だとゆうことになる。素戔嗚が出雲に天降る時すでに東鯷国は銅剣と思われる草那芸之大刀を持っていて、敵は「八俣」の遠呂知で日本書紀では「八岐」と書いて「ヤ」が木花開「耶姫」を祀る東鯷国を表す地域で東北・北海道を除く日本を「ヤ」と言っていたとゆうことになる。
『先代旧事本紀』
「于時皇子大夫率臣連伴造國造而賀正朝拝矣凡厥建都即位践祚賀正如是之儀並始此時也宇摩志麻治命」
『論衡 恢國』
「武王伐紂 庸・蜀之夷 佐戰牧野 成王之時 越常獻雉 倭人貢暢」
『古事記』
「淡道之穂之狭別島・・・土左国謂建依別・・・天之忍許呂別・・・故、筑紫国謂白日別、豊国謂豊日別、肥国謂建日向日豊久士比泥別・・・熊曽国謂建日別・・・天御虚空豊秋津根別・・・建日方別・・・大多麻上流別」
「答白言、我之女者、自本在八稚女、是、高志之八俣遠呂知」
『日本書紀』
「往時吾兒有八箇少女 毎年爲八岐大蛇所呑」

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